【コラム】データを活用した畑のプロファイリング〜海外データ編〜

いつも農業ブログをご覧いただきありがとうございます。今回のコラムは引き続き「畑のプロファイリング」をお届けします。前回は国内データを使っていましたが、今回は海外データを使い、更にスケールアップした内容となっておりますので、ぜひご覧ください!

※気象データが提供可能な地点を青色で表示している

まずは利用するデータのご紹介から。今回は、世界約7,000地点を網羅している気象データを使って、プロファイルを行います。上のマップにある通り、ヨーロッパや北米、アジアの主要都市からアフリカに至るまで、地球上で人が住んでいるエリアはほぼすべてカバーしております(下図は、中国のとあるエリアを拡大して表示したもの)

このように、弊社ではアメダスAPIと比較しても、網羅性が高く、品質の良いデータを取り揃えております。そのため、世界中のお好きな地点をターゲットに、そこで栽培できる可能性がある作物を、湿度・降雨量・気温といった種々の気象条件から探索できます。

アメダスAPI 弊社
国内の観測地点 約1,300地点 約370,000地点(1kmメッシュ)
海外の観測地点 利用不可 約7,000地点(地点情報)
取得可能なデータの種類 降水量、気温など最大で5種類あるが、観測地点によっては1種類しか取れない場所も 国内は6種類、海外は4種類で観測地点によるバラツキは無い
適地探索の範囲 国内約1,300地点のみ 国内37万地点+海外7,000地点

さて、この気象データを使って、弊社の畑と似た気象条件のエリアを探索したいと思います。今回は簡易的に気温と湿度に絞って、埼玉県本庄市と似た気象条件を持つ地点を調査しました。その結果、約450地点が候補として選ばれました。地図にプロットしてみると、下図の通り、韓国・中国・アメリカ・トルコあたりが近そうです。

※値が小さい(紫に近い)地域ほど気象条件が類似していることを示している

ランキングTop15を作ってみると、やはり韓国が最も近いようです。

そこで、最も近いと判定されたチンジュを例に、実際のデータを比較してみました。過去3年分の平均気温と平均湿度を月別に比較しているのですが、かなりトレンドが近いことが分かります。

このように、世界中から似た気候を持つ土地を探索することで、自分の土地にはない新たな作物の可能性を検討することが可能になります。弊社では、チンジュではなくあえて14番目に近かったアメリカのウェストバージニア州を候補として、特産品である「コールラビ」という作物を今春から栽培し、実証実験を行う予定です(近場だと余り面白い野菜がなかったので)。この模様も、ブログを通して発信していきますので、ぜひご覧ください!

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